子供の目と近視
なぜ子供の定期的な眼科検診は重要か
子供の成長と共に変化する視力
目の成長は、成長期の子供の発育で最も重要な要素の一つであります。「見る」ということと「学ぶ」ということは強い関係で結ばれて、この二つの関係は決して離せないと調査で確実に証明されています。視力がちゃんと矯正されていない子供は、授業についていけない。そのため、授業が理解できない、そして、勉強の遅れをとるようになってしまいます。そうなると、その子供は、授業についていけないことでイラつき、学校での態度が悪くなったり、クラスの邪魔をするような行動的にも問題を持つようになってしまいます。すると、アメリカでは、今度は態度に問題があると校長室に呼ばれてしまうようになってしまいます。
では、何歳で子供の視力に異常がないか、又は、目の成長に悪影響を及ぼすかもしれない目の病気がないかどうかを調べるために眼科検診を受けるべきなのでしょうか?
この答えは、医師によって違うかもしれませんが、大抵の眼科医は、一番最初の眼科検診は、生後6か月から2歳のうちに小児眼科の眼科医に診てもらうことを薦めます。
学校の保健室の先生が行う視力検査や小児科で行う視力検査は、眼科で受ける検査と同じではない
ここで明確にしたいこととして、眼科のドクターは、目の専門医であり、学校の保健室の先生が行う視力検査や小児科で行う視力検査は、眼科で受ける検査と同じではありません。
小児眼科では、赤ちゃんや幼児は壁の文字を使って視力を図るといった普通の検査が出来ないため特別な機械などを使ってどれだけ見えているのか視力を測ります。そして、最初の検診で目の全てを調べ異常がないことを確認された後、だいたい4歳くらいから小児眼科から別の眼科(optometrist )に一年に一度の検診を受けるように言われます。
子供の視力は成長と共に変わる
子供の視力は成長と共に変わるため、就学する子供の定期的な眼科検診も重要です。きちんと見えていないと学校での勉強の大きな妨げになってしまいます。近視の子供は、教室の後ろの方から前の黒板(ホワイトボード)がよく見えません。遠視の子供は、近くを見る作業を続けると目が疲れてしまい作業を持続するのが難しい。乱視も眼鏡などで矯正されていないと本を読んでいると何処を読んでいたのか分からなくなってしまったり無意識で文字を飛ばしてしまったりします。こういったこと全てが、読解力に影響してしまいます。そうなると、結果的に、生徒の学習能力や、クラスの他の生徒と同じように学ぶ能力も下がってしまいます。
近代で、近視の人が急増している。特にアジア人の中での急増が目立つ。
近代で、近視の人が急増しています。特にアジア人の中での急増が目立ちます。これは主として遺伝的なものなのか、環境のせいなのか、それとも両方とも関係しているのかは明確には判明されていません。世界的に近視の人口が急増しているのはなぜかを探るための研究が、この20年の間に幾つか行われ、今現在でもそういった調査が続いています。
コンピューターやパソコン、スマホやタブレット、iPadが溢れ、特に学校に通う年齢の子供達がこういったデバイスを使用するスクリーンタイムが急激に増えています。こういった生活の変化が世界的に急増する近視の人口とどれだけ関係するのかは、まだ証明されていません。調査中でる段階であるため、色々な意見があります。スマホやパソコンから出るブルーライトに関する調査で、ブルーライトが人間に害を与えるかどうかは証明されていませんが、こういったデバイスからのブルーライトは、敏感な人には、睡眠のパターンやアルファ波に悪影響を及ぼすということ判明されています。
ブルーライトがどのように人間の体に悪いのかを説明する例として、線維筋痛症を持つ人は、この病気により身体全身の激しい痛みを和らげるために、毎日、アルファ波を保った睡眠を数時間とらなければなりません。また、子供の場合、睡眠不足だと暴れたり落ち着けなくなる。これは、誰でも知っていることかと思います。身体的に完全に成長していない子供は、骨や筋肉、脳の発達の為に、ぐっすりと眠る睡眠が必要です。ぐっすり眠ることと栄養豊富な食事が子供が健康に育つために重要です。
子供の近視が進むのを抑える、近視抑制治療
世界的に急増する近視の人口の問題に対応するために、マイオピア・コントロールという新しい医学の専門が作られました。近視の進みを抑制するための医学的な方法として主に利用されているのは3つ。一つ目は、ハードコンタクトレンズを使うオルソケラトロジー。寝ている時にハードレンズを着用して角膜の表面の形を整え目玉の前と後側の形と大きさが変わるのを抑える。
2つ目は、アトロピン点眼を使って眼軸長の進展を抑制する。この目薬は、一日に一回寝る前に点眼するだけで、一般的に子供に何の無理もなく使用さています。
3つ目は、つい最近アメリカのFDAで認証されたばかりのクーパービジョン社によるマイサイトという名の使い捨てのデイリーソフトコンタクトレンズです。左右の視野のピントを少しずらす。これにより眼軸長の進展する刺激を抑制または減らします。
マイオピア・コントロールの治療に優れた腕を持つ眼科医であれば、子供個人の環境と遺伝を考慮し、その子にベストな治療法を考え、近視の進みを最低限に抑える治療に導いてくれることでしょう。
マイオピア・コントロールは、近視をなくすというのがゴールではありません。近視をなくすのではなく、成長期を終えた時にたどり着く最終的な近視、この近視の進みを減らすことです。近視の程度はジオプターという単位で表しますが、最終的な近視の視力の1ジオプターの違いで緑内障、白内障、黄斑変性症、網膜剥離などのリスクを上げることになると科学的に証明されているため、これからの人口にマイオピア・コントロールが欠かせないのは明らかです。
特に8歳から12歳の子供は近視の進みが大きいということから、これらの年齢の子供が近視の進みを抑制するマイオピア・コントロールの治療を始めるのに適しています。マイオピア・コントロール治療に優れた眼科医に相談すれば、どの治療法があなたのお子さんに良いか薦めてくれるはずです。なるようになるしかないと自然の成り行きに任すのではなく、私たちが暮らす近代社会には、科学の進歩により色々な選択肢があります。この記事を読んで、ベーシックな知識を得れたでしょうか?次回、眼科に行ったときに、ドクターに質問するベースとして役に立つだろうと思います。
Written by Dr. Battani
ドクターバターニは、この地域では数少ないマイオピア・コントロールの治療を行う眼科医です。当院には、マイオピア・コントロールの治療を受ける日本人の子供の患者さんも沢山います。
近視の進みを抑えるコンタクトレンズ
使い勝手は、普通のデイリー用のコンタクトレンズのようなレンズ、でも、近視が進まないための治療用のコンタクトレンズがあります。寝ている間に着用するオーソKレンズとは違って日中に使用します。
とても素晴らしい効果を出しており、治療を始めてから3年間で、59%の子供が近視の進行を抑えられています。更に素晴らしいのは、6年間で、視力の進行していてもたったの1 ディオプター(1.00)以下。
近視が進むにつれ目の病気のリスクが上がります。親の遺伝によって、子供の近視が進んでしまわないように、まずは、マイオピアコントロールの専門医であるバター二医師に相談してみましょう。
コンタクトレンズは初めての方
バターニ医師による細かく丁寧な指導によりコンタクトレンズの取り外しを習う
コンタクトレンズは医療器具であるため、健康な目を維持するためには、コンタクトレンズを正しく使うことが重要です。
コンタクトレンズは初めてという方には、当院では、バターニ医師自身がコンタクトレンズを使用するにあたっての注意事項を細かく説明し、着け外しのトレーニングを行います。これは、年齢を問わず、子供だけでなく老眼になって初めてコンタクトレンズをしたいという場合でも同じプロセスでコンタクトレンズのトレーニングを行います。
子供の場合、コンタクトレンズは何歳から?
一般的に、子供でコンタクトレンズを着け始めるのは10歳くらいが多いようですが、当院では、最低年齢を設定していません。子供がきちんと手を洗うなど正しくコンタクトレンズを取り扱えるのであれば10歳以下でも受けます。当院では、実際に7歳の子にもコンタクトレンズのトレーニングをしています。
近視進行抑制のコンタクトレンズを使用している子供の平均年齢は10歳。しかし、10歳以下の子供でも、やれます。バターに医師の子供は9歳からこの近視抑制治療用のコンタクトレンズを着用しています。
子供の眼科検診とメガネ
当院では、就学年齢以上(4歳)の子供の検診を受けております。赤ちゃんや幼児は、小児眼科に行くことを勧めます。
日本でも人気があるトマトの眼鏡(写真右)も赤ちゃんサイズから小学生用を揃えています。
治るまで学校に行けない? Pink Eye って何?
アメリカでは、目が赤いと人に感染すると思われてしまいます。そのため、子供の学校では、子供の目が赤いと、ピンク・アイと判断され他の生徒に感染することを恐れて、家に帰らされます。治るまで、又は他の生徒に感染しないことを証明できるまで学校に行けません。
ピンク・アイとは、いわゆる結膜炎のことです。なぜ白目が赤くピンクっぽくなるかは、原因によります。一般的に、バクテリアが原因か、アレルギーによるもので、原因によって薬や治療法が違います。
子供の場合、目が赤くても人に感染しないと眼科医に一筆書いてもらい、その手紙を学校に持って行けば、目が赤くても学校に行けます。
また、目が赤いからというだけで、間違った薬を与えられてしまうこともありますので、眼科医によって診察を受けるのがベストです。
日本語で相談
テキサスに滞在する間、目に関すること一般、お世話いたします。
インターネットで検索するのは、もうやめて、当院にお越しください。
予約前に、予約に関する質問があり日本語で対応を希望する方は、当院の日本人スタッフに連絡してください。主に、予約や眼科保険に関しての質問、どうやって眼科保険を上手に使ってメガネやコンタクトレンズを購入出来るかなどのご相談にはお手伝い出来ます。ただ、医師ではないため、医療的な回答やアドバイスはできません。
メールでは一度で明確な質問や回答を得られないため、質問や相談は電話のみで受けています。972-316-3937まで直接ご連絡するか、または、下のフォームをご利用ください。メールでご連絡を頂いた場合、こちらから返信のお電話を差し上げます。メッセージが残せる電話番号を残してください。